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時差ぼけにやられている。

 

今はこれに尽きる。

 

帰りの便こそがらがらで全員が3〜4つの座席を悠々と使っているような環境で

前半たっぷり寝て、後半6時間は起きるという作戦を実行できたのだけれど

なんせ翌日も眠い眠い、そして日記を書くことを諦めた火曜日、

翌水曜も途轍もない眠気に襲われ、

帰りの電車は寝過ごしぎりぎり、

食後にソファでそのまま爆睡、風呂の中でも頭ぐらんぐらん。

 

眠い、けど

 

昨日までの大切な経験はどれも書き残しておきたいから。

今日は一踏ん張り、日記を書きたい!!!

(書くぞ、書かなきゃ、と言ういつもの癖を

書きたい!の希望のまま書いてみた。学習しているぞ、わたし。)

 

 

イギリスでの10日間は幸せ以外の何ものでもなかった。

 

幸いトラブルもなく

風邪もひかず怪我もせず

不安のあったエアビも快適で

毎日のプランが計画通りに順調に進んでいった。

 

滞りなくという言葉が似合いすぎる完璧な旅だった。

完璧である必要はないと思っていたけど

振り返るとその感想は完璧だったのだ。

 

こじとジェイとバイバイして、ロンドンに到着した時に

その町の喧騒と地下鉄内の空気の悪さに一瞬心が折れて

リンカンに帰っちゃおうか、一度本気で迷った。

その日は、エア日にチェックイン後、美術館やデパートに行こうか考えていたけど

無理はせず、スーパーでダラダラと食べ物を選んで

部屋に引きこもって過ごした。

今までの自分の旅行では選べなかったような過ごし方だった。

ここでのひとときがきっと大正解、体力を持ち直した。

 

翌日はロンドンの中心へ

何度見ていても、それでもビッグベンを間近で見たくなる。

ウェストミンスターからビッグベンへ歩き、ビクトリア近くのティールームに寄る。

その後カムデンパッセージのマーケットを散策、

waterstonesや小さな本屋さんを発見し物色しながら

イズリントンの菜穂さんの勤務する店に向かった。

お店に行った後、この後もまたエアびに戻って一休み、こういうことが少し上手になったな。

ああその後に自然史博物館にVAもいったっけ

 

ナホさんとは半年以上ぶりの再会、、、

正直ナホさんがお店を離れてから、お店でのこと、自分のこと

大変だったと思うことがたくさんありすぎた。

半年間の出来事を話すのは容易ではなく

でもそれはナホさんも同じで

お互いがそれぞれの場所で頑張っている

複雑な思いも未来への希望も抱えながらね。

それがわかったこと、今までできなかった二人でゆっくり話すということができて

本当にいい時間になった。

 

木曜はブリックレーン方面。スピタルフィールズマーケットに行ったりも。

Young VAに訪れたのもまたいい経験になった。

子どもがのびのびと過ごせる国の代表的な美術館があること。

その事実自体がそもそも羨ましいし(日本にある?知らないだけ?

親子で手や体を動かしながら体感、体験できる広いスペース。

見るだけ、ただのゲームのような設備だけ、

そういうので終わらない、子どもの発想をどんどん広げてくれるような

環境だったと思う。

 

夜の時間にもつながるのだけれど、日本の神話〜漫画展にも行ってみた。

イギリスにいながら、日本のものを見る、学ぶ、再確認する

結構この作業が好きだったりする。

自分のアイデンティティを外側の角度から見つめることで

普段自分の中に当たり前として埋まってしまっているものを発掘できる感覚というか。

忘れていたくないな、日本人として誇りに思っていたいな

そんな文化に外で触れ合えることは、心をとても穏やかにしてくれた。

 

実はここにいた時、緊張マックス・体の冷えもマックス

ガクガク体が震える寸前だった。

 

美術館で取り急ぎ、スープセットとレモンジンジャーティで震えはおさまった。

 

なんの緊張かって?

エドワードだよ・・・。

 

気づけば、もう一生会うことないんだろうなという存在になっていた人。

リンカンにいるときに私のストーリーを見て

「イギリスきてるの?」

「うん、来週ロンドン行くよ。スコットランド住んでるんだっけ?」

「いや、今はロンドン住んでるんだよね、よかったらコーヒーでも行かない?」

的な内容のやり取りをして、自分でも大驚愕!!!!

なんせ普段、超かめレスだった人間。

しかもいつも私から誘ったり声かけたりしていたから

あちらがきっかけをつくってくれるのっておそらく初めてで。

夢のような不思議な出来事だった。

 

うん、あえなくてもいい、こうやってメッセージをくれたことに大きな意味がある。。

そんなふうに思っていたけど、思いのほか場所も時間もバッチリ合う時があって

この夕刻、会う約束をした。

 

会っていなかった数年間のはなし

特にお互いのパンデミックの期間の話だったり

エドはロンドンに引っ越したよだとか私は結婚なんてしちゃったよだったり

これぞ「エモい」という言葉を使うべき最も適したシチュエーションだった。

不思議に感じたのは

彼の言葉は本当に聞き取りやすいし

私も全然途切れることなく超fluentに会話ができたこと。

 

会う寸前まではバクバクの緊張だったけど

会った瞬間の自分の心の緩みがすごいもので

リラックスしていたんだよね・・・。

懐かしい人、心を開ける人。

そのおかげか、そして彼の言葉の選び方テンポもきっと相当気を遣ってくれていたのかな

と思うけど、10日間過ごした中で誰よりも話がしやすくって本当に気持ちが楽だった。

 

カフェの後は、ウォータールーの橋を歩いて渡って、ビッグベンを横目にした。

12年前の私も教えてあげたい。

いろんな気持ちで大変なことになっていたけど

なんていうか、結果的に報われたよ〜。報われる、以上の状況になってるよ〜って。

 

もう昔の恋愛感情はさっぱりない。

でも

人としての信頼の気持ち、尊敬の気持ちは全く変わらなくて

バイバイした直後に素直に「出会えてよかった」「大切な先輩、お兄さん的な存在で

やっぱりこの先も一生繋がって行けたらいいな」なんてことを思った。

こういう関係を誰かと築けた自分がすごく誇らしく思えた。

昔の自分、昔のエド、今のエド、あの時のオックスフォード。全てに感謝・・・。

 

 

そんな高まる気持ち、胸いっぱいの状態で

トトロを観にバービカンへ。

良席!!!

 

そしてオープニングから号泣する自分の謎さ!!!!

でも本当に、、、すごいいいオープニング

さっきまでの思い出胸が熱すぎて、涙がぼろぼろ。

 

スタート地点で号泣だったから、その後も少しでもお母さんが出てくるだけで

「おかあさあああああん」となって泣きまくる・・・。

小さい頃はあまり深く考えていなかったけれど

あの年で、お母さんが病気で入院して毎日のようにあえないって本当に切ないことだよね

大人になってその痛みがわかる今、

それをロンドンで見ている状況、この中で牛沼とか松郷とか

日本人の中でもきっと誰よりも地元に近いのは私なんだろうなと

その意識もあって、誇りと感動といろんな感情で心の中が湧き上がっていた。

 

一番幸せな気持ちになったのは前半の終わり方。

何あれ、可愛すぎるよ。。。

可愛いが1番の感情のはずなのにすごい涙を流している私。

あーあー絶対変なやつやん、と思っていたのに

隣の親子も並んで泣いているし、トイレでも泣いている人いるし

泣きそうだったんだけどマジやばい。。。みたいなギャルもいた。

地元も何も関係ないのかも。それがトトロの強みなのかも。

子どもの頃のだけに見える、というそれ。

子どもから大人になったことのある人はみんな、あれを見て心にグッとくるものがあるのか。。。

そんなことを考えたりもした。

 

あっという間の2時間45分。

ブラスの音も印象的だったし

何よりも良かったのが、まっくろくろすけの黒子さん。

ただススちゃんたちを動かしているだけじゃなくって

その動作に祈りの意味がこもっているのも感じられるような演出があって

それを見たときにまたグッと心にくるものがあって、涙が止められなかった。

やぎさんも、猫バスもトトロも、とにかく黒子の方の演技、演出への感動が凄まじい舞台だった。

 

カーテンコールの騒ぎ方もまた、海外ならではというか。。。

ああいう盛り上がりがあるからこそ、会場が一体になってここへきて良かったと思えるんだよね。

 

あと、私の特権

日本語部分(いただきます とか 語尾の ネッとか、一部歌詞なども)も

英語部分もどちらも心にスッと入ってくる、

これはあの舞台を楽しむために必須ではないことだけれど

でもプラスアルファになりすぎる要素だったなと思う。

 

自分の原点を確認できた日に、もっともっと原点へと探りを入れたような日になった。

あの日は、もしかしたらベストデイオブマイライフかも、それくらいに思ってしまうほど

幸せと感動に満ちた夜だった。

 

観劇後の、濡れた道もまた良かった。

 

 

 

12日はオックスフォードへ。

木曜に再確認した気持ちをさらにさらに深めることができた日。

長くなりすぎたしインスタにも記録を残したから軽めにするけど

オックスフォードの美しさは群を抜いている。

これに圧倒されて引き込まれていったんだなというリアルな感動を鮮やかに思い出した。

思い出したというか再体験した。

あのときオックスフォードを選んで本当によかった。

 

リトルワースにも行けた話も残しておかなきゃ。

オックスフォードの郊外にある村で

行こうかな〜やめようかな〜を前日までずっと悩んでいた。

何もない村だしバスも少ないから外で凍える思いをしたら嫌だし

トイレ行きたくなったらどうしようだし

そもそもバスのチケット、ロンドン以外どういうシステム?!?!?!

そういう不安、考え事が多いなら、行かなくていいっか!になっていたけれど

 

オックスフォードのハイストリートについた瞬間、

事前に調べていた、本数の少ないリトルワースの近くに行けるバスが後5分でくることを知った。

!!

これは行かなきゃ。

 

突如思い立つ。

 

よくわからないまま、とりあえず乗り込む。

 

こういう時の自分に時々やっぱり驚かされる。

 

でも

リトルワースに行ったのは大正解だった。

今後付き合っていきたい土地の名前であるし

その場所が、大きなナーサリー、プレスクールがあって小さな子どもと

その付き添いの親たちとで溢れた暖かい雰囲気の村だということを知れたから。

 

優しい雰囲気の町。

建物は古くから佇んで居たであろう歴史を感じるまち並み。

 

トイレに行きたくてやっぱりヒヤヒヤしたのは想像通り、

なんとか帰りの便のバスも捕まえて、無事にシティセンターに戻ってこられた。

(チケットは悩むことなく、コンタクトレスのクレジットでシングルパスを買えばいいだけだった。お悩み無用って感じ)

 

その夜は、胸いっぱいの気持ちのまま、ロンドンのフライデイナイトを楽しむ。

ナショナルギャラリーへ。

 

 

土曜

あっという間のフルで使える最後の1日。

ポートベロマーケットで目的のものを買い上げ

Daunt bookやGower streetのwaterstonesに行く。

 

そしてあっという間に!!オックスフォード時代の友達と再会!!6年ぶり。涙

恋愛の話をあんなふうにガヤガヤ話せる自分がいて少しびっくり!!

木曜の時間のおかげで、英語話す壁がぶっ壊れた感じ??

とっても楽しい夜だった。

 

日曜月曜

 

コロンビアロードのフラワーマーケット!雰囲気がさいこう!!!

何年越しかの望みかなって行けた店があったり

春らしい花をたくさん見かけたり

♪♪♪な1日だった。

 

パディントンで荷物を預けたのも正解で、最後までスムーズ

目一杯に楽しんで、空港にチェックインした。

 

ふう長かった!!!

 

いい旅。いい旅、いい時間。

 

時計も見ずに

誰にも何にも縛られずに

本当に心が癒された。

ときほどかれた

 

 

同時に過去のことを考えて

絶対あの時あんなに頑張らなくてよかったよね

と気づいたりもした。

 

頑張ってきた自分を認められた時間

ゆるむことをゆるせるようになった時間

 

そんな旅になったかな、と思う。

 

 

 

帰ればまさるが家にいてくれて、あたたかいよね。

足りないものなんてない。

全てに満ち溢れている、私の人生。

 

 

火曜日

数ヶ月、脳みその半分を占めてきた組織診の結果をようやく聞きに行く。

がんではなかった。

本当によかった。

 

結果を聞く少し前に

いつもの悪い癖で予防線を張るために

がんだと言われたらどういう心持ちでいようか、覚悟を決めたりもしていた

でもその少し後、いや絶対大丈夫だから!のメンタルでいられるような

レーニング的な感覚になる瞬間も過ごした。

 

絶対大丈夫!自分の思うように行く!!そんなふうに思えるように

レーニングを続けていきたいな。

 

そして大きい忙しい病院なのに先生はゆっくりと笑顔で

「希望が叶うといいですね」と声をかけてくれた。

本当に嬉しい言葉だった。

 

夕方は地元のクリニック。

いろんな検査をようやく終えて、こちらの卒業。

次は陽性になったらきてね^^で終診

 

旅行を素晴らしく終えられたことに重ねて

ふたつの病院を無事に卒業。

本当に嬉しくて嬉しくてありがたい気持ちでいっぱいになった。

 

ここまで負けずにやってきて本当によかった。

自分、頑張ったよ!!!!!えらいよ・・・・・!!!!

 

 

その夜はまさるがご褒美でおふろの王様に連れていってくれた。

最高以外の何でもない。この2週間。そして人生も丸ごと!

 

 

いろんな時が訪れてくる。

きっと辛いこともまた起こる。

でも、この幸せは絶対糧になるし

栄養として十分に補給されている。

 

この気持ちを忘れずに

温めておきながら

 

またいつもの日常を楽しく過ごしていけるように

感謝の気持ちを忘れずに前に進みたい。

 

 

 

ありがとう!全てのことにありがとう!!!!!!!